WEB制作の命運を握るのは営業ではない
ホームページ制作会社の営業担当は、契約までは調子よく話を運びますが、実際の制作が始まるといなくなります。
発注書を書いてもらい、契約書を交わし、最後に着手金をもらえば次の現場に飛んでいくんですね。
個人のフリーランスに発注すると、そのままその人が制作の窓口をやることもありますが、法人格がある社員10名以上の会社になってくると、営業と制作の人間はクッキリ分かれるのが普通。
ということはー。
せっかく人柄もわかってきた営業の人は、ドロンと消えてしまうわけです。代わりに窓口として出てくるのは、まだ人柄もよくわからないウェブのプロ。
「ディレクター」という役割の人です。
ウェブディレクターとの相性はとても大事
「営業の人は良かったのに、ディレクターはサバサバしててどーも合わないな…」
こんな地味な違和感はよくあること。
それもそのはず「対人関係のプロ=営業」から「制作のプロ=ディレクター」に代わるわけなので、温度差が生じることがあるんですね。
もちろん、そもそもディレクターというのは顧客対応も一流であることが求められますが、なかなか営業ほど話上手でもないのは事実。どんなに営業慣れしてても、どこか職人気質なところがあるんですね。
ですので、ディレクターによっては「技術や知識はあるが、いまいち気が利かない」なんてことは起こりがちなんです。
なので発注した側としてはちょっと寂しいというか、また気持ちを切り替えるストレスが発生します。
ウェブの発注時は「窓口は誰?」を必ず聞こう
早くても2ヶ月、だいたいは3ヶ月以上は普通にかかるホームページ制作。ウェブにおいて長い制作スケジュールというのは一般的です。ずっとやりとりする窓口担当とウマが合わないというのは結構一大事。
営業さんの軽やかな営業トークに乗せられて、細かいことを気にせず発注する前に。
「この制作の窓口になってくれる人は誰?」
「ディレクターさんにもお会いできますか?」
と、一歩突っ込んだお願いをしてみましょう。会社によっては職名が異なるかもしれないので「窓口」ということが伝わればOKです。
もしかしたら制作会社側が「抜け目のないお客さんだな…新人をつけようと思っていたけど、ちょっとベテランのディレクターを担当にしておこう」なんてことにするかもしれません。
ですので、聞いておいて損はないというか、絶対に聞くべき質問ですね。
ウェブディレクターの守備範囲
では、一般的なウェブディレクターの仕事内容を見ておきましょう。
①要件定義
顧客が解決したい課題を整理します。それらは「要件定義書」としてまとめられ、ウェブサイト制作の根幹となります。
②企画立案
整理した課題を「提案書」まとめます。デザインやライティングの方向性もここで確認できます。
③制作進行
ワイヤーフレーム、スケジュール管理や制作スタッフを束ねての進行など、監督(ディレクター)としてプロジェクトの中心を担います。
④予算管理
プロジェクトの予算に合わせ制作の管理を行います。ケースによっては追加予算の必要有無も判断します。
⑤保守管理
サイトのリリース後の修正や管理なども兼任します。
会社によって役割が多少異なることはあるものの、上記を見てもわかる通り、制作の上流工程から下流まで、あまねくプロセスに関わるのがウェブのディレクター。
もしあなたが発注側の企業のWEB担当者だった場合は、最初に話した営業の人の比とはならないレベルで、長期間において制作会社のディレクターと付き合っていくことになるわけです。
当記事で、ウェブ制作の発注時は「ディレクター」を確認すべき理由 を書いているワケをおわかりいただけたかと思います。
素人にはわかりにくいホームページの発注
今回は「制作窓口=ディレクター」の大切さについて見てきました。
こういう話は営業の人からも「制作に入ると窓口は◯◯という者がディレクターとして入ります」とサラッと説明があるのが普通。
しかし、商談にノイズを入れたくない弱気な営業はそこを明言しない場合もあります。言ってないようで言っている、みたいなラインで終わらせるんですね。
ホームページというのは、一生に何度も発注するものではありません。ですので、発注側からすると、なかなか制作会社の組織構成や説明がわかりにくいものです。このあたりはサクッとわかる『【かんたん解説】ホームページの発注方法「7つのステップ」』をチェック。
発注後に後悔することがないよう、本サイトの記事カテゴリー「こんなWEB制作会社に注意」はざっとお目を通しておくことをおすすめします。発注側が普段聞けないような裏話やトラップ、あるあるトラブルなどを書いていますので。