ホームページ制作費が高い会社がある理由
今回は、気になる「ホームページ制作費」のお話。
結論から書きますと、どんな立派なWEB制作会社でも「制作費=人件費」です。
WEB制作とは、実は発注側にとってスケールメリットがないことはあまり知られていません。
つまり人数も多く、オフィスも立派なウェブ制作会社に発注したからといって、安くなる」ということはないんですね。というか、むしろ「高くなる」。単純にそれだけ人件費と設備=運営費用かかってしまっているからです。
これが製造業ならば、商品が売れれれば売れるほどベルトコンベアに乗せる商品量を増やせばいいので、作れば作るほど一商品あたりのコストは安くなります。
しかしホームページ制作は完全に「人」に依存する業態。
たくさん作ろうとするなら「人手」を増やすしかありません。人手が左右する業種は、人を雇うほど値段が高くなるパターンに陥ります。WEBを作るというのは「打合せ・制作」という、とてもアナログな手作業なんですね。
ウェブ制作は人力作業
大きな会社に発注しても、小さな会社よりもいろいろお得で安くなることは期待ができない、それが「WEB制作の発注」。
反対に、小さな会社は人件費やオフィス費用も抑えられているので、制作費は大きな会社に比べ割安になる傾向があります。シンプルなロジックです。かといって、クオリティが良いとは限りません。大人数の会社でも少人数でもクオリティはまちまち。ここが難しいところです、ほんと。
中には「少数精鋭」ということで「人数は少ないけど、高品質の制作物を納品するから高い費用がかかる」という会社もあります。ただしそれも、腕の良いデザイナーやエンジニアなどに一定以上の給与を払っていたり、値の張る外注先と提携していたりするから。やっぱり「人件費」なんです。
少数精鋭の会社でも「本当に期待できる制作物を生み出せる会社であるかどうか」と「ホームページや営業が受注前に語っていることが本当に実現できるか」は要確認。
質が高いと言っても、得意不得意の業態がありますから、見極めが求められます。そのあたりは『ホームページ制作業者の良い選び方「3つの基準」』もご覧ください。
少人数だが高い会社の内情
なお「少数精鋭・高額制作費」の会社は、基本的に安売りはしないというギャンブル的な経営をしています。
そういった会社の営業のプレッシャーは相当重いもので「高く売らないといけない」「安くは売れない」という責任が常についてまわります。
実際には「良いものを高く売る」のは、有象無象のWEB業界のなかでは結構難しいことで、競合を抑えて勝ち抜くには、営業は得てして「都合の良いことを言いがち」となる。
でないと、なかなか「売る」ことはできないのです。
また、どうでもいいスローガンなども「重要なブランディング施策」などと、どさくさで「商品」を売ろうとするので要注意。
お客側はその口車に乗らず、きちんと確認を取るべきでしょう。もし営業が「当社は高品質のWEBサイトを提供してきました」など言うならば、
「納品後の集客の効果検証はどのようにしているのか」
「ポジティブな実績とネガティブな実績の双方が見たい」
「つまり『高品質』の根拠を知りたい」
など聞いてみましょう。
なぜなら、WEB会社の言う「効果」とは主観的なものや、客側の担当者や上層部が単に「素敵なものが出来て喜んでいる」という情緒的なものも多いからです。
この傾向は、一般的なウェブ制作会社のサイトに掲載されている時代遅れな「あざといお客様インタビュー」などで見られる傾向。
過剰な提案になってないか
ホームページの制作会社が「アレもコレも入れ込んでいる」提案をしているパターンも、見積もりが高くなる原因のひとつです。
本当に必要なページ以外にも「これがあるとなおいい」「他社はこれを入れている」などの理由で、御社の希望とは別のところで要件が増えていく。
このあたりも要注意です。
単なる「予想」に大金を払う?
ウェブ制作会社がいくら緻密なマーケティング調査や分析を行っても、それは「予測」の域を出ません。
「うちは手間ひまかけて分析したうえで作ります」と言っても、それはその制作会社内にいるマーケティング担当やチーム内の知識の範囲内の話であり、何の保証もないのです。
その証拠に、その分析に責任(予測が外れた場合にペナルティを自らに課すなど)を持つ担当はいません。あくまで「分析を一生懸命した料金」が上乗せされるだけ。分析の範囲も定義も、極めてその制作会社の意向が詰まっている場合も多いので、きらびやかな提案書や細かい風の企画書に惑わされない冷静さが必要です。
調査や分析を売りにする会社があれば、発注側がその「分析=予想・仮説」にいくらまで払うのか、は検討するべきでしょう。
冷静に考えてみてください。ロゴマークやキャッチコピー、WEBサイトを新しくしたからと言って、売上は上がるでしょうか。会社が抱える問題点は解決するでしょうか。ビジネスってそんな簡単なものではないですよね。
ですので、もし過去の成功例を交えて、あたかもブランディングやウェブの制作会社が、企業が抱えるさまざまな問題を解決へと導くようなことを説明する営業マンが現れたら要注意。解決できる保証など全くないのですから。
打合せの場で夢を語りあうのは結構ですが、その場の直感(営業されているのに気づいてないのでそれは間違った直感)で決めず、いったん頭を冷やしましょう。
営業に踊らされないこと
《ロゴを新しくしても売上は変わらない》
《WEBサイトを新しくしても売上は変わらない》
この現実を事前に知っておきましょう。
その上で商談に臨むことで、WEB業者の話す営業トークを嗅ぎ分けられるます。
もし売上を上げたいならば、
✔ 自社のサービスの分析と改善(要件定義)
✔ WEBを可能な範囲の予算で新しくする
✔ マーケティングに力を入れる
ことが懸命です。まずは自社サービスの棚卸しを行い「何が優れ・何が劣っているか」を整理整頓し、改善する。
WEBを集客の要にする場合は、WEBを高額でなく許容範囲の予算で刷新。
集客戦略こそ集客ができる唯一手法と割り切り、新しくしてホームページやロゴマークは「飾り」であると理解する。
このような思考が現実的。WEBデザインにこだわるのは時間の無駄、という見方も持っておきましょう。
口だけの会社に気をつけて
集客はWEB広告やSEO、SNSなどひたすら根気のいる作業。しかも結果が出るかはわかりません。お金を無駄にする可能性もあります。
攻め続ける広報活動を手探りのなか継続して初めて、道筋が見えてくるのが現実。
ホームページ制作会社は自身のサイト上で「作って終わりではない」と語っていても、実際はさっさと片付けたいと考えているもの。たいがいは作って、納品して、請求書出して、振り込んでさえもらえれば、そこで終わり。
そういった会社に引っかからないように気をつけてください。
では「価格の安い会社」はどうなのか?
格安のホームページ制作会社は、また別の大いなる問題をはらんでいます。
それについては『格安ホームページ制作会社が危険な「5つの理由」とは?』をどうぞ。