ウェブ制作会社との契約には要注意。

ホームページの発注先がようやく決まり、制作に入ろうとする前には当然「契約書」の締結があります。

ウェブ制作の契約書というと「制作をする」ということくらいだろうから、細かい書面はあまり読む気が進まない…なんて方もいるかもしれません。

しかし、実はさまざまな面において、ウェブ制作会社に有利な内容なことだけになっているので要注意。制作会社が「できれば口頭で言わずにおきたいこと」などがふんだんに含まれています。

今回は、ホームページ制作会社と契約書を交わす際、必須であるチェック項目「7つ」を見ていきます。

契約書のチェック「 7つの注意点」

それでは以下に7項目とその解説を、いつも通り「発注側」の立場でアドバイスしていきます。

①委託範囲

委託範囲をチェックする人

ホームページ制作のみであるのか、ドメインやサーバーの契約や保守も行うのか、SEOなどマーケティング系の契約もあるのか、委託する仕事の範囲をチェックします。あとから「それは契約外です」とならないためのリスクヘッジです。

②瑕疵担保責任

「ERROR」の文字

「かしたんぽせきにん」と読みます。見た目からしてスルーしたくなる字面ですが、ようは「エラーやミスをどこまで制作会社が補償するのか」を示しています。完成したてのウェブサイトにエラーはつきものですから、瑕疵担保責任の期間は長いほど発注側には安心。

③著作権

著作権について説明する女性

ホームページ制作に仕様している画像や動画やテキスト、プログラミングに使われたソースコードに関してなど、著作権はどちらにあるのか。納品直前にモメることの多いのが著作権ですので『ウェブ会社にだまされた?ホームページ制作物の著作権問題』もチェック。

④損害賠償

損害賠償のモチーフ

ホームページというのは、完全に「人の手」で作られていくアナログ作業。つまり制作途上でのエラーやトラブルはつきものです。制作の大幅な遅延や決定的なエラーにより自社に不利益が発生した場合の「損害賠償できる範囲」とチェック。損害の定義や金額の上限が小さくないか、また遅延損害金についても見ておきます。

⑤支払時期

スケジュール表と付箋

いつ、何%のお金を払うのかを確認。制作に会社によっては高額の着手金・手付金を定めているところや、制作途中でお金を払う場合が。自社の支払いサイトも考慮されているかも確認です。

⑥再委託

業務委託の契約書

これはスルーしがちですが重要です。せっかく選んだ発注先が制作せず、下請け、孫請けに仕事を振る可能性があるから。もし再委託の場合でもコーディングのみなのかなど、自社が発注した会社がデザインや企画をしないなどの事態をい回避しましょう。

⑦検収

検収の念を押すウェブ担当者

検収とは「最終確認」のこと。ホームページ制作会社から「サイトが出来ましたよ」の連絡が来てから「何日間、自社で確認する日数があるか?」は重要です。例えば検収が1日であれば、制作会社はそっとメールを出してきて「はい、1日で期限切れです、これでもうお仕事終わりです」となるからです。

トラップだらけのホームページ契約書

契約書の写真

ホームページ制作会社がサラッと、最小限の説明で「もし何かあればご連絡ください」などと渡してくる契約書は、罠がいっぱいです。

発注をもらえるまでは饒舌だったのに、契約書に関してはフワッと終わらせる営業も多いので気をつけてください。同様に、簡易的にも見える発注書に関して注意することも忘れずに。こちらも安易にサインしてはいけません。

契約書というのは、よくある「約款」「プライバシーポリシー」などと同じで「小さい字で書いてあって、読ませようという意思がないもの」も多い。なかには買いたくもないソフトウェアや借りたくもない端末が含まれていることも。

とにかく、ウェブ制作会社との契約の際は、とっとと始めたい気持ちをぐっと抑えましょう。詐欺のリース契約のホームページなどもクーリングオフは効きませんので気をつけなければなりません。

契約書を受け取ったら、担当弁護士や法務担当、部下に丸投げするではなく、自社視点をきちんと持ち、社長や担当者自ら「制作会社が打合せで調子良く言ってたことと矛盾はないか」等をくまなくチェックしましょう。契約を交わした後では、もう遅いのですから。