トラップだらけのウェブリニューアル

ホームページのリニューアルをする際においては、実にさまざまなトラブルが発生します。

今回はそこでよくある失敗例を「7つ」ご紹介。

これからサイト制作を考えている社長さんやご担当者さん、またすでにプロジェクトが始まっている場合にも、お役立てください。

①デザインにこだわりすぎている

デザインにこだわるデザイナー

WEBサイトは見た目が大事なのは確かですが、そこに50%以上パワーを使ってしまいそうならちょっとクールダウンが必要。

デザインを新しくする(だけ)では、リニューアル前と何も変わらないと言って良いでしょう。

もちろん見た目は変わるので、変わると気持ちは晴れ晴れしますが、当サイトでは『WEBデザインにこだわるのは時間の無駄』という記事もわざわざ出しているほど「デザインへの乗めり込み」に警鐘を鳴らしています。

実際に、WEB制作となった場合に、発注側はUIだのユーザビリティだのEFOだのはわかろうはずもありません。しかし唯一、感覚的にこだわることができるのがいわば正解のない「デザイン」だったりします。ゆえに、ここにずっと注力してしまうのです。

ところが次項②からもわかるとおり、デザイン以外にも重要なことは山ほどあるんですね。

②サイトの階層が曖昧or破綻

悩む会社員

ウェブサイトはURLを「/」で区切って階層化していくのですが、ここの定義が曖昧になっているケースが見られます。

制作会社がきちんと入っていれば階層化トラブルのリスクは比較的抑えることができますが、それでも格安リースに手を出してしまっていたり、予算を異常にきりつめた発注をした場合に不親切な対応からこの失敗に結びつくことも。

メインメニューもブログ記事も全て「https://sample.net/○○○」というように「○○○」の箇所にアドレスを書いてアップしていたら要注意。あるいは一見階層化されていても、実は特定の階層のみページが増えていたり、バランスが悪かったりというケースもあります。

ページのURLというのは、SEOの関係上、単に修正すればいいというものでもありません。実は「初期設定」の一発勝負だったりもするので、途中からの変更は(特に検索順位が定まってきている場合)厳しい場合もあります(できないわけではありません)。

③SEO対策がされてない

SEOの文字

検索の上位表示対策=SEO対策には「レベル」があります。

「とりあえずSEOできる基盤を作った」状態や「ゴリゴリにSEOかけている」などのレベル感です。しかしいずれにしろ言えるのはSEO対策ができるようになっていること。

これが最初の設計で出来てないと、後からはちょっと大変です(できないことはありません)。前項②の「サイトの階層」もまさにSEOに直結する問題です。

④ユーザビリティが良くない

スマホを操作する手

「ユーザビリティが良くない=使い勝手がよくない」というやつですね。

ボタンやテキストリンクの位置の悪さ、問合せフォームの記入事項の多さ、欲しい情報にすぐにたどり着けないなど、使い勝手の良くないサイトからはユーザーはすぐに離脱してしまいます。

見た目のデザインも大事ですが、実はユーザーを誘導する「導線」はウェブでは最重要項目のひとつ。

パソコンサイトとスマホサイトのデザインや構造は全く異なるため、双方のユーザビリティを最適化する必要があります。

⑤中身が変わってない

古い写真

せっかくにリニューアルでも、中身がほとんど変わっていないケースもあります。

例えば「ライティングの費用を削りたいので、社内で文章を作成しよう」なんてなったとき。素人の文章は「日本語」ではあってもプロのライターの「ウェブのセールスライティング(営業的に優れた文章)」とは全くの別物です。

写真や動画が変わっても、言葉が変わってなければ、効果もありません。文章は大事にも関わらずとても軽視されがちなので、要注意です。

⑥運用が考慮されてない

アバウトなイメージ

サイトリリース後のことが全く考えられてない状態です。

例えばページの更新の仕方や、ブログ記事のアップ方法などが複雑化している。専任の担当者がいないと更新できないなど、運用が考慮されてないのもよくある失敗例。

サイト運用は限界までシンプルに設計できるよう、心がけておきましょう。

⑦制作会社に任せて放置

放置している人

「プロに任せてあるから」と、油断しまくっているケースも多々あります。

ウェブ制作会社は「作ることのプロ」であっても、御社のビジネスを深く知る参謀ではありません。参謀ぶる会社もありますが、実態は「ウェブを作る人」です。

ですので、御社の希望や業界ならではの事情や効果的な方法については詳しくないのです。もちろん制作が始まれば勉強もしますが、例えば「ケーキ業界」「派遣業界」についてはプロではない。

そこを勘違いして「制作会社に丸投げ&放置」では「見た目だけは整っている単なるウェブサイト」が出来上がるだけで、リリース後に効果を得ることは困難になってきます。

お金払っても当事者意識が必要

当事者意識のある発注者

全てのウェブ制作会社が、御社を間違いのない方向にリードしてくれるわけでないのが悲しいところ。

有名な製作会社でも担当が新人だったり転職したてだったり、単に腕が悪ければ結構ミスります。会社や予算の大小で質が担保されないのがウェブ制作会社の難しいところ。Amazonでも商品が良かったりヘッポコだったりするのと同じで、ムラは避けれません。

状況を少しでも悪化させずに、トラブルを少なく前に進めるには「発注側の当事者意識」が必要になってきます、面倒だと思うのですが。

プロジェクトを成功させるために、意味はわからなくても「サイトの健全な階層化はされているか」「SEO対策はどこまでされているか(別料金のことが多いです)」など、積極的に聞いてみましょう。

“社内”でのトラブルにも注意

今回はウェブサイトのリニューアルについてよくある失敗例「7つ」を書いてみました。

別の記事ではさらに突っ込んだ「”自社内”で担当者が立ち回る際の社内トラブル」についても書いています。

社内でのあるあるトラブルについては『自社サイト制作中によくある社内トラブル・失敗例「5選」』をチェックください。