「パソコンサイト」のデザインにこだわる危険性
ホームページ制作が始まって、制作会社とのやりとりが始まると―。
一般的なウェブサイトだと、制作会社は「パソコンで見たときのデザイン」を確認用や進捗報告に送ってくることが多いです。そして、なんとなくその流れに乗ってしまい、発注側としてはパソコンサイトをメインに考えがち。
そして「見せろ見せろ」と、社長や部長が口を出してきたり、ウェブ担当者自身もアレコレ意見を集約し、細部にまでこだわりまくった修正を出してしまうもの。そして納期がズンズンと伸びていくことに。
こうして忘れられてしまうのが「スマートフォンサイトのウェブデザイン」です。
現代で重視すべきは「スマホサイトのウェブデザイン」
プライベートではスマホ中毒なのに、なぜか会社のホームページのリニューアルになると「パソコン版」のデザインに大いに時間をかけてしまっているー。
これ、結構あるあるなんです。でも大事なことがある。
そう、時代は「スマホ」でしたね。
会社で「ウェブ担当」なんていう、やったことない仕事に抜擢されると意外と忘れてしまうこと。それが「スマホサイト」の存在。
例えばそれが新卒や中途を採用する「採用サイト」だったりしたら、完全にスマホが最優先となります。
もちろんこの時代、コーポレートサイトでも同様。コーポレートサイトだからスマホは適当でいい、なんてことはありません。
スマホサイトはデザインよりも「使いやすさ」
現在、WEBの世界は「スマートフォン」なのはご存知のとおり。
しかし悲しいかな、スマホになると全てのWEBサイトはあの小さな画面に収まってしまい、迫力も繊細さも結構失われます。パソコンに比べ、一画面で出来ることも限られてくる。
そのため、スマホサイトでは「どんだけ見やすいか」「使いやすいか」が勝負になってくるんですね。決してデザインがどうでもいいという話ではないですが、使い勝手をないがしろにするとスマホサイトは破綻します。
制作会社とのやり取りでは、パソコン版のデザインを見ながら大きな画面で気持ちよく確認をしてたと思いますが、ずいぶん勝手がちがうわけです。ずいぶんというか、全く。
しかし、ここでも。
「うちはBtoBだからパソコンサイトが大事だ」
「日中、オフィスのパソコンで見ることが多いんだ」
という「データなき意見」が出てきたりします。ところが、そういう会社のサイトにGoogle アナリティクスを設置して解析すると、日中でもスマートフォンでの訪問者が断然多い、というのはよくある話…。
スマホ、タブレット、そしてパソコン。24時間365日公開されているウェブサイトでは、ユーザーの閲覧環境は多種多様なもの。
パソコンよりスマホ。そんな時代にとっくになっているんですね。
さらに今後、パソコンに愛着があって使い慣れている世代というのは、さらにどんどん少なくなっていきます。既に、パソコンを使えない世代(しかしスマホの使い手)がそのまま就職するというも一般的でさえあります。
ということは、スマートフォンのサイトには今後ますます注力すべきで、自社内での運営ノウハウを蓄積していかなければなりませんね。御社のスマホサイトは、大丈夫ですか?
PCサイトにハマりすぎないこと
決してパソコンサイトはどうでもいい、という話ではないのですが執拗にこだわっても、あまり意味はないのが現実。
なのでホームページを作る場合は「スマホサイト」の「見やすさ・使いやすさ」を最重要事項にする。専門用語で「UI(ユーザーインターフェイス)」「UX(ユーザーエクスペリエンス」)なんて言われるところの話です。忘れがちな「ウェブサイトの表示速度」もUXには入ってきます。
間違っても「見慣れているからパソコンサイトにこだわりまくる」「パソコンサイトに過度な機能を追加していく」のは避けてください。執拗にこだわるのは時間の無駄です。
時代はスマホ、そして流行りも早い
また、流行り廃りの早いウェブ業界において、ホームページの「リニューアル」は数年ごとの定期的なお約束でもあります。
つまりウェブサイトとは、まるごとリニューアルでなくても、部分的に変更していいくことも多々。今こだわりすぎても時間がたてばたつほど「時代遅れ感」が出て経年劣化が目立ちます。必ず作り変えるものに、延々とこだわっていても仕方ないんですね。
制作会社から提出されるデザインにも、ほどよいところで妥協し、まずは「全体を作ってしまって運用する」のが得策。
運用して始めて見えてくる課題を「改善していく」のが建設的です。ホームページは完成日がゴールでなく、そこがスタートで成長させていくものだから。
しかしもっと言ってしまえば…実はウェブデザインに凝ること自体が、もったいないとも言えます。その理由は『WEBデザインにこだわるのは時間の無駄』をどうぞ。