社内の立ち回りが問われる「自社サイト制作」

いきなり結論ですが、自社サイトを制作する場合、担当者に問われるのはデザインセンスでもマーケティングセンスでもありません。

それらはあるに越したことはないですが、外部業者に委託すれば任せられる部分が多いです。

しかし「社内の調整」「社内の立ち回り」については誰も手伝ってくれません。いや、手伝わないどころか「避けている」とも言えるのが自社サイト制作の辛いところ。日常業務と平行して、社長や部長を上手に巻き込んでOKも取っていかなければならない極上に困難なミッションと言えるでしょう。

その辛さや隠れたメリットについては『「自社サイトの制作」が社内で人気がない理由と隠れたメリット』で語っておりますが、今回は「自社サイト制作が失敗するパターン」について明確に記していきたいと思います。

これを読んでおくことで、事前のリスクヘッジにしていただければと。

では、よくある失敗パターン、トラブル例を「5つ」見ていきます。

①社長や部長の「気が変わる」

気分屋の社長

これほど迷惑なものはありませんね。

最初に決めたことで進んでいたのに、社長や専務や部長あたりが、何かの影響を受けて急に「〜〜にしたいね」「〜〜〜はどうなの?」と、事実上方向性を変えてくる。これは自社のウェブサイトを作る以外でも日常的によくあることではないでしょうか。

しかし「外部業者」を巻き込んでの自社サイト制作の制作の場合にこれが起こると、面倒くささは頂点へと達します。

これら回避のコツは『社長や部長にウェブサイト制作を口出しさせない方法』にて解説してますのでチェックを。

②みんなの意見が「まとまらない」

会議室で意見をまとめるのに苦労する人

上層部からも「みんなを巻き込んで」「社員みんなが納得感のあるものを」のような無理難題が来るゆえ、担当者として「じゃあ最初にみんなにアンケートを取ろう」「週1で打合せしよう」といったアイディアが浮かぶものです。

それ自体は決して悪いことではないのですが、頃合いの良いところである種「独断で決めていく(※独断に見えないようにするのがポイント)」こともやらないと、全く話が前に進まなくなります。

③会社やサービスの「方針転換」

「変える」のモチーフ

すでにご紹介している「①社長や部長の気が変わる」は、単なる素人の気まぐれですが、この③が示すのは「正式な方向転換」です。例えば「高齢者をターゲットにしていたが、若年層にも範囲を拡大する」といったもの。たまったもんではありませんね。

上層部の気まぐれならまだしも、正式にサービスの方針転換となるのも実はよくある話です。このトラブルに巻き込まれないようにするためには「なるべく早く完成させる」しかありません。それが出来れば、ですが…。

④外部業者の「スキル不足」

外部業者のスキル不足に悩む人

社内調整もなんとか順調で、要件定義も整った。あとはデザインを待つだけ…といった場合でも安心はできません。

いくらデザインコンペを経ての決定業者だったとしても、コンペと本番は全くちがうのです。デザインコンペのデザインだ提携業者に依頼するズルい会社もあるくらいですから要注意。

実際に、本番のデザインにおいて「なんだコレ?」というトラブルはよくあるもの。発注側が期待しすぎてしまうという面を差し引いたとしても、単に業者のスキル不足で、社内で見せたら非難轟々というトラブルもよくあります。

⑤前任者との「引き継ぎ不足」

引き継ぎ不足に悩むモチーフ

得てして自社サイトとは、完成までに半年以上かかるなどはザラです。その間に担当者が変わることもよくある話。

後任者はこれまでの経緯がわかっておらず、ノウハウも通り一遍の引き継ぎしかされてないため、制作は遅々として進まない。

当然クオリティは担当者が変わるごとに落ちていき、なおかつ「いつまでたっても完成しない」という状況に陥ります。

困難を事前回避しよう

リスクヘッジの注意喚起

これまで見てきた「5つの失敗例」は、さまざまな企業で起こっているトラブル。

実際に当社にいただくご相談でも「作りかけの自社サイトをどうにしかしたい」というものもあり、事情を聞くとだいたい今回の5つが複数絡み合っている感じです。

もしあなたが「自社メディア制作の担当者」に抜擢されたら。

今回の5つの事例を事前に回避できる「立ち回り」を意識していただけたらと思います。冒頭にも書きましたが、自社サイトの担当者に必要なのはデザインやマーケティングのスキルよりも「社内調整」です。

もっと砕けた言い方をすれば「段取り」。段取りのプロこと「ダンドラー」を目指し取り組むことで、スケジュールを大きく乖離しないっサイト制作が実現できることと思います。

今回は「社内」でよくあるトラブル例でしたが、別の角度から書いた『ウェブサイトのリニューアルでよくある「7つの失敗例」』も同時に見ていただくと、さらに状況が俯瞰できますのでチェックしてみてください。

ノウハウを最後に…

マイナスな話ばかりでも良くないので、最後に「自社サイトを良くするためのノウハウ」もご紹介します。

大事なポイントを「1つ」に絞ったシンプルな記事ですが、とても重要なことなので『自社サイトを自力で良くするには「現場の営業の声」を聞け』も抑えておいていただけたらと思います。