ウェブ制作で大事なのは「お客さんの現場」を知ること

今回はウェブ制作において大切な「現場感覚」のお話をしていきます。

現場とはつまり、発注者のお客さんが実際にやられているビジネスの現場のこと。

住宅販売であれば住宅展示場、ラーメン屋さんであれば実際の店舗で食す、習い事であれば実際に習ってみる、といった現場のことです。

「現場軽視」な制作会社の見極め方

たくさんのクエスチョンマーク

もし御社がホームページ制作の相談や依頼をしようと思っている制作会社があったら。

初回や2〜3回目の打合せのとき、あるいは契約の直前でも、ひとつ確認してみてください。

「当社の商品は召し上がっていただけました?」

「弊社のお店には一度足を運んでいただきましたか?」

「資料請求はしていただいたことありますか?内容はどうでした?」

「使ってみていかがでしたか?」

つまり、

「実際のサービス=現場に触れているか」をチェックするんです。

口だけ業者を見極めろ

現場に行かずソファでくつろぐ女性

ホームページの制作会社やクリエイターが陥りがちなのが「現場に行かない」こと。

IT系の人たちは、Google様でさまざまなことがわかるからというクセがついており、なかなかパソコンの前から動こうとしません。居心地の良いオフィスや自宅から動いてないことに気がついてもないのです。

オンラインミーティングや直接のプレゼンテーションなど、WEB制作における話は慣れているため、自分サイドの話は得意ですが、現場を軽視いや無視している会社はとても多いもの。

毎日の制作に追われる身であるゆえ、デザイナーやプログラマーがお客さんの「現場」を積極的に体験する会社というのは、なかなかありません。

一度もお客さんのサービスを体験せずに、果たして良いデザインやキャッチココピーが生まれるでしょうか。彼らもプロなので、耳障り、目障りのいいももはチャッチャと出来てしまいます。盛りすぎブランディングなどはその最たる例でしょう。

そんな口だけの業者を見極めるのに、きちんと「本気度=現場度」を確かめる。「現場に行ったか、買ったか、乗ったか、泊まってみたか」など単刀直入かつ突然聞いてみましょう。

現場に答えがある

工場地帯の風景

ホームページ制作はいかにもバーチャルなウェブ空間の話で、現実世界とは異なるものだと思われがちです。

ところが、ホームページ制作における答えやヒントは、実は現場にしか落ちていません。

たとえそれが数年前に行ったことあるラーメン屋さんのウェブサイトでも、もしサイトを作るとなれば「今を見に行く」ことが大切なのです。

そこでお店の現在の空気や味、客層や味、メニュー、ホームページでは公開されないお手洗いの清潔度、駐車場の有無、最寄り駅の乗降具合、さらには近隣の競合調査などなど、現場には答えとヒントが溢れています。

これが飲食店でなくとも、顧客となるであろう会社の資料請求や無料体験、カウンセリング、会員登録やダウンロード、アプリへの課金などのサービスの「使用感」を体験しているか。また、ライバル会社の競合調査においてもインターネットの情報のみでなく、自らが体験することを重視しているか。

ホームページとはあくまでWEB上にある「窓口」に過ぎす、そのサービスの実態、本物を知らずしては作ることはできません。

課題を共有できる関係に

握手する企業の担当同士

クライアントのサービスを購入したり、体感したりするのも大事ですが、制作会社としてはその感想を「良いところ」「悪いところ」として整理できているかも大事です。それは最も大事な「要件定義」に直で関係する話。

現状の課題、問題点をクライアントに忖度なしに伝えることができ、内容の改善やアドバンテージのさらなる強化を話し合えるか。

ホームページの依頼側と受託側が足並みを揃えるというのは、単なる意気投合という幼いものではなく「課題を共有」することにあります。

このためには、クライアント側にも「必要以上に気を使わせない」「接待モードにさせない」「丸投げしない」努力が必要。いつまでもお客モードでいると、それは間接的にウェブ制作業者を萎縮させることにつながり、制作会社はご機嫌を取るほうに神経を使い結果的に「当たり障りのないもの」「お客が満足するだけのもの(消費者目線ではないもの)」しか出来上がりません。

業者側はただでさえ「お客様がご機嫌ななめにならないように」という余計な負荷を常に感じています。足並み、目線をそろえないと、制作会社は仕事自体にも前向きでなくなり、さっさと終わらせたいモードに入るわけです。

ホームページ制作は困難な共同作業

チームワークのモチーフ

現場重視の制作会社、お客サイドの理解、双方の前向きな姿勢がホームページの質を高めます。

いわばウェブ制作とは「発注側と受諾側」の「双方の赤の他人同士」が「数ヶ月にも渡って」「モノづくりをする」という困難な共同作業。

見ず知らずの両者の歩みを揃えることは、何より重要なのです。

特に制作時が始まってからのディレクターの存在は命運を左右します。

その、盲点となるディレクター問題については、ホームページ制作会社と契約・発注する前には必ず「ディレクターが誰か?」を確認しておくと安全です。