採用サイト、作ったはいいけれど…

爽やかな社員の写真に、社長挨拶もコーポレートサイトとは一味変えた。

セオリーどおりにコーポレートサイトと採用サイトを分け、各自独立させるマーケティング施策も実行済み。

でも…なぜか応募も問合せさえも来ない、なんてことになってないでしょうか。

採用サイトを作っただけで問合せがくるほど甘くはないものの、それでも採用サイトそのものに間違いがある場合は致命的。

いくら「リクナビ」「マイナビ」や「FIND JOB!」に求人を出しても反応はないはずです。

さて「致命的」な間違いとはなんでしょうか…?

採用サイトの真髄はシンプル

プランを立てるビジネスマンたち

採用サイト、リクルートサイトの真髄は結構シンプルです。

写真や文章と同じかそれ以上に大事なこと。

それは「超明確なターゲット分け」なんです。

勘のよろしい方はすでにお気づきかもしれませんが「新卒」「中途」で内容を明確に変える必要があります。

極端な話「カブっているとこがないよう」にコンテンツを作る方針が必要。同時に「カブってていいコンテンツ」も把握する。

これだけで「新卒用」「中途用」「両者用」の3つのコンテンツを展開できます。明確ですね。

では、この3つのコンテンツには何が必要かを書いていきます。これすなわち、採用サイトのコンテンツとなるわけです。

「新卒」採用者向けコンテンツ

①取得できるスキル

「どう成長できるか」です。よほどのことがない限り、新卒が最初の会社に一生骨を埋めようとは思っていません。思っていた場合でも気が変わります。彼らは「自分が他の会社にいく場合に必要なスキルを得られるか」「ステップアップの一歩目としてハードルが高すぎないか」を見ています。

②リアルにどんな人と働くか

どんなに「仲間」を唄う会社でも、新卒者は自分が「下っぱ」であることを知っています。どんな人と働くことになるのかを非常に警戒しているのです。もちろんこのコンテンツは、わざとらしいのはアウトです。ウソの盛りすぎブランディングには手を出さないように。バレて「ブラック企業」としてSNSで拡散されたり、裁判沙汰になることも。

「中途」採用向けコンテンツ

①キャリアアップになるか

新卒とちがって、数社渡り歩いてきている中途採用者は目が肥えています。いい意味でも悪い意味でも冷めているんですね。御社に入って「自分のキャリアアップにどんだけなるか」年齢によっては「最終キャリアとしてふさわしいか」「起業前に得られる最後のスキルとして意味あるか」を見ています。

②年収アップ具合

新卒とは異なり「いまの年収から実際どんだけ上がんのよ」を見ています。転職エージェントにはストレートに相談する内容ナンバーワンと言えるでしょう。

「共通」コンテンツ

こちらは新卒にも中途にも共通する、いわば「どちらのターゲットも共通して興味ある内容」ですね。

①残業の有無と時間

1日8時間働くのはどこの会社もだいたい一緒。問題は「そのほかの拘束時間」です。昨今は残業ゼロの会社もあれば、逆に「ノー残業デイ」が形骸化している会社もあったりとさまざま。新卒も中途も「自分の時間・自分の人生」を優先する時代であるゆえ、残業の有無と時間については注目されます。

②年間休日

会社に命を捧げる時代はとっくに終わっているので「どんだけ本当に休めるか」を知りたがっています。形だけの情報を掲載してもバレるので気をつけましょう。

③福利厚生

賃金以外のお得度です。寮や家賃サポート、社員食堂、研修や免許取得のサポートなど。ちなみに「社員旅行」「忘年会」「飲み会」等は仕事、拘束時間が増えるだけの印象になるので注意。

口コミサイトもチェックしておく

クチコミサイトをチェックする社員

現在は「会社の評判」がわかる口コミサイトが多数存在します。

そこには退職者が言える範囲(あまり過激だと掲載されないため)で会社のネガティブ情報を暴露しています。このようなサイトと実際の採用サイトがあまりにも乖離していると、人は寄ってきません。

己を知るにはまずは敵を知ることから。別に口コミサイトが敵なわけではないですが、耳の痛い話が連発されているのもある意味現実です。臭いものにフタをせず、こういったサイトもチェックしておくことで、実際のコンテンツを作る際に「正直」にページを作ることできるでしょう。

例えば「残業が月○時間と書いてあったのに全然ちがう」と口コミにあれば、事実を採用サイトに掲載しウソのないようにしておく。福利厚生への不満が多ければ改善したうえで「改善した」ことを訴求する。こういった小さな努力は「進化している会社」と映るので意味があります。

有料採用サービスの力は必要

お金をかけた結果に一喜一憂する担当者

高くつきますが、やはりたまには「リクナビ」や「FIND JOB!」などの有料媒体の存在は必要です。

採用サイトのみで戦うのは、特に中小企業には本当に厳しい時代。採用マーケティングの一貫として、採用サービスを「入口」とし「出口」を採用サイトにする流れを作る。マーケティングの王道「送客」というやつです。

SEO対策やSNSももちろん大事ではありますが、SEOは時間がかかるしSNSはそもそもフォロワーが一定数いないと何も機能しません。

「LINE」は頼れる採用ツール

LINEが映ったスマホ

ここまでは「採用サイト」本体とリクナビなどの「有料サービス」の話をしてきましたが、最後に「LINE」のお話を。

採用サイトには「LINE」での受け皿を設けるのは得策です。

LINEチャンネルを開設し、興味を持ってくれたターゲットに友だち登録してもらう。今や飲食店でも高い確率で見られる手法ですね。

LINEの中に採用ページ(ビジネスアカウント)を開設し、そこでの情報更新はもちろん、ダイレクトLINEを送って新卒者や中途者に読んでもらう。LINEの開封率は60~70%とも言われており、非常に高いこと有名です(ちなみに普通のメールだと10%以下)。使わない手はありませんね。

採用サイトはコンテンツを「3つ」に分ける

TOP3のイラスト

後半は採用マーケティングについても触れましたが、採用活動を充実化させるための考え方を解説させていただきました。

コンテンツは、

①新卒向け
②中途向け
③共通向け

以上で明確に分ける。ここだけ見ると「そりゃそうだ」となるかもですが、各ターゲットのリアルな心情は記事内の通りです。

採用に限らずマーケティングとは機械的なものでなく、人間の心情の深淵をどこまで読めるかの勝負。

今回の記事が御社の採用マーケティングに一役買えれば幸いです。