内製化でコスト削減

ホームページの管理、メンテナンスを委託している会社の「乗り換え検討」の際。

よく話に出るのが「いっそ、自社で内製化できないか?」という議題です。

「今そんなに難しい作業を外部委託の会社にお願いしているわけでもなさそうだし、中途入社で自社にはフォトショップやHTMLを扱える人材もいる。カメラ好きの者もいるぞ」

「ウェブのメンテナンスを自社内で内製化できれば、大幅にコストダウンが可能」

こういった意見です。

コストダウンというと血が騒ぎ、なんか、バッサリいきたくなりますね。しかし、断行する前にちょっとだけ冷静に。

まずは現状の「見える化」を

会議する人たち

コスト削減!毎月何万、何十万が削減できる!

ということで、あまり深く考えずに改革論・仕分け屋モードで突っ走ると、後でちょっとめんどくさいことになります。

一見簡単そうに見える外注への依頼内容も、わりと細かい手間がかかっている可能性があるんですね。なので、委託先の会社にまずは「何をどれくらいお願いしているか」「作業時間は」等を見える化してもらいましょう。

特に「仕事が早い外注」ほど、発注側のこちらが勘違いしてしまうことがあるので要注意。

なぜなら「仕事が速い=カンタンだから」ではなく「仕事が速い=技術があるから」という最速対応してくれている可能性があります。そのため、安易に「いつも速いしカンタンそう」と考えないのが大事。しかし本当に外注するほどでないカンタンな作業ばかりかもしれ ないので、そこを「見える化」する必要があるんですね。

具体的には、外注している業者に書面や報告書というかたちで出してもらのが良いです。どんな作業で、何人で、何時間かかっているのか。

そこで「本当にこの業者を切っていいのか」「自社内で同程度のスピードや質で出来るのか?」「自社内で出来るとしてもその人材は本業に集中できるのか?」など、さまざまな角度で検討が必要です。

ボッタクリかチェックもできる

ボッタクリをチェックする人

なんとなくどんな契約かも忘れていて、いつも当たり前のようにメンテナンスを依頼し、当たり前のように支払いをしている状況はよくありません。

企業としてはこれを2〜3ヶ月に1回、できれば毎月きちんとチェックしたいところ。

その業者を切る切らないの話の前に、作業の内容や所要時間をチェックするのは「ボッタクられてないか」「サボってないか」のチェックにもなるんですね。

業者乗り換えには冷静な判断を

石橋を叩いて渡る人

「うちの○○くんはフォトショップ使えるみたいだしな」

「HTMLを扱える社員も入ったし」

「カメラが得意な者もいるぞ」

このような理由で外注を切るケースもあるようですが、フォトショップやHTMLをちょっと扱えるくらいでは対応できないレベルであるかもしれません。カメラも、ホームページやパンフレットに使う写真は素人の撮影だと著しく質が低まることがあります。

また、いくらフォトショップが使えるからと言って自社の社員の仕事を不意に増やしてしまうのは日常業務をじわじわ圧迫させて最悪離職にも繋がりかねない。安易な内製化は 危険を伴うケースもあることを覚えておきましょう。

疲れた社員を心配する同僚

ただし、コストダウンはしたいですよね。

であれば、同じ金額でもっとやってくれる会社を探したり、半額で同じ内容をやるという企業もあるかもしれないので、事前に複数社と面談をしておくのが良いでしょう。他社に相見積りを取るなど、現状の改善を他の方法で検討するのが安全です。

WEBのメンテナンスなんて聞くと、なんとなく軽微な印象かもしれませんが、そこにはさまざまな技術や経験が必要なのも事実。単純に見た目を直すだけでなく、ブランディングの知識、検索上位表示のSEOも意識したチューニングも必要です。

メンテナンスは集客の要となるマーケティングにも大きく関わってくることもポイント。

これらを片隅でも覚えておくと、勢いだけのコストダウンに踏み切ったあげく社内が地味に崩壊していくという事態も避けられます。