「選択肢」が多いホームページはNG

御社のウェブサイト、ユーザーに「選ぶストレス」を与えてないでしょうか? いわゆる「選択疲れ」ってやつです。

例えば、

「コースは4種類。初心者向けのスタンダードコースから本格派向けのマスターコースまで網羅。さらにご希望により追加で…」

「お問合せは全部で5種類。オンライン面談やメールフォーム、LINEやSNSからお選びください。お電話もOKです」

などなど。

良かれと思って増やしている選択肢が、かえってユーザーに「ど、どれが一番ええねん…」と混乱をもたらすことになります。

混乱をきたすとユーザーは…当然そこでの問合せや購入をやめたり、サイトを離脱したり閉じたりしてしまうわけです。

人間の1日の決断回数は「約3万5000回」

AかBの選択

わりと定説で言われているのが、人間の1日の決断回数は「3万5千回」に及ぶということ。

買い物行こうかやめておこうか、あの改札でなくこっちの改札にしようか、いま見積書を作ろうか後にするか、ランチにドリンクつけるかどうしようか、そろそろ帰宅するかやめようか、YouTubeで何を見ようか等々。

ミクロ単位で「決断」を掘り下げると枚挙にいとまがありません。これが現代社会のストレスのひとつとも言えるでしょう。

そんな目まぐるしい1日のなかで、さらに「おすすめプランは4種類」「お問合せ方法は5つ」なんて言われると「今日はいいか…」となるわけです。自分が「客」という身分にいるならなおさら。ラクなほう、何もしないほうを選んでしまうわけですね。

スティーブ・ジョブズにまつわる「選択疲れ」

スティーブ・ジョブズの本を持つ人

一応この有名な話も。

アップルのスティーブ・ジョブズも自身が会社に返り咲く際に「散らばっていたさまざまな製品や開発途中のプロジェクトを止め、ラインナップを4つに絞る」をやりましたね。

当時、デスクトップのパソコンは「Power Mac G3」のみにしたというやつです。そうした「対顧客向け」の改革もさることながら、6系統あった販売店も1つに絞るなど「対社内向けオペレーション」も改善。働く方の思考もスッキリさせたところがポイントでした。

そこからのアップルの大躍進はご存知のとおり。ティム・クック体制になってからは、アップルウォッチのバンドだけでも無数にあるなど、だいぶすごい商品ラインナップになってしまってますが….。

ユーザーに選択肢を与えないのは決して悪ではなく「ラクにしてあげる」「寄りすぐりのサービスで安心してもらう」「ユーザーに決断の責任を転嫁しない」つまり選択疲れさせないことに繋がるんですね。

「選択分散」させるだけで改善できる

選択分散がなされたボタン群

しかし「問合せ方法はやはり5種類いるし、サービスラインナップを削るのもなあ…」ということもあると思います。

こういう場合はどうするか。同じ「問合せ方法5種類」をすすめるのでも、一度に選ばせるのではなく、分散させることでユーザーのストレスは軽減可能です。

つまり「選択を分散」させる。

例えば、画面の右下にはチャットの機能があり、メールフォームはEFOの最適化がなされたシンプル設計。SNSからの問合せはゴリ押ししないが、単にSNSへの導線を置いておくなど。

ユーザーがどのタイミングで、その問合せ方法に気が向くかはわかりませんから、きっかけを随所にまぶしておくイメージです。これは「CTA」というメソッドであり、とても大事。

こうすることで、ひとつのページで「いきなり4択、5択」といった決断を迫る状況を避けることができるんですね。

選択疲れのないホームページを

選択疲れのないスッキリしたウェブサイト

御社のウェブサイトのなかで、ユーザーに不必要に過剰なおもてなしをしていたり、一度に何種類もの選択を迫っていたり、オプションを付けるとどうこうなどの迷いを与えているコンテンツがあるならー。

一度、スッキリさせることをおすすめします。

それだけで、問合せは減るどころか増える可能性があるのですから、心当たりがある箇所に、一時的な実験をするつもりで改善を試みましょう。

「選択肢を減らす」あるいは「分散させる」だけで、ユーザーにストレスを与えない、決断疲れをさせないホームページにすることができますよ。